ラジメモ日経+第一

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AIビジネス最前線!AIりんながavexとレコード契約!AIの投資情報解析cirfin(サーフィン)からお掃除ロボットWhiz(ウィズ)まで東大研究室の専門家が解説!


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はじめに

  
f:id:buriburimaster2018:20190418002140j:plain:w400:left本日は、新番組『感じるAIビジネス』より、AI技術の最前線について解説されていましたので紹介します。
  
ソフトバンクロボティクスが開発したお掃除ロボット、Whiz(ウィズ)の話題や、マイクロソフトのAI『りんな』が、avex(エイベックス)とレコード契約をして新曲を出した話題、たこ焼きロボットのお話まで、AI技術の最前線が分る番組で非常に興味深かったです。
  
  
今回は、東京大学大学院 松尾豊研究室で産学連携を担当し、深層学習などのAI 技術に特化したベンチャーキャピタルファンド『Deep30』の代表を務める、田添 聡士さんがコメンテーターとして解説されていました。気になる方は番組もあわせてお聞きください。読みやすいように一部改編していますのでご了承ください。
  



  

  
  
  

ラジオ本編メモ

  

AIとは?

  

そもそもAIとはなに??

  
AIに関しては、専門家の間でも意見がバラバラで、まだ定まっていないというのが正直なところです。
大まかに言うと、大きなデータから、自分たちが必要な知識などを取り出して推論する、そのようなシステムの事を指すと思います。
  
  

AIは万能なものなのか?

  
AIは『世の中を便利にする機械』というイメージだと思いますが、それは多くの方がよく誤解されている事でもあります。
むしろ、できる事というのは特化されたものであり、非常に狭い範囲の技術でもあります。しかし、その技術を組み合わせる事で、世の中に大きなインパクトが出せる、そのような仕組みになっています。
  
  

AIに関連するディープラーニングとはどんなもの?

  
実は、ディープラーニングのアイデア自体は昔からあったものですが、注目されたのは2012年くらいからになります。
  
現在では、深い関数を使って、まるで人間が見ているような画像認識や、音声認識などを行なう事ができ、場合によっては人間をはるかに超える精度の能力を発揮するなど、2012年より前のAI技術とは比べられないくらい進化していますので、大変注目されています。
  
例えば、ニュースでよく話題になった、囲碁、将棋、チェスのAIである『AlphaZero(アルファゼロ)』は、テレビで取り上げられた頃は、まだ人間の技術を元に学んでいたんです。
実は、最新のAlphaZero(アルファゼロ)は、囲碁のルールしか教えていません。後はAI同士で何度も対戦させて、実際にどの手が一番良くて、どの手がダメなのかを学ばせています。
そうする事で、AlphaZero(アルファゼロ)は、人間にも勝てるようなレベルになってきています。
  



  
【AlphaZero(アルファゼロ)】
youtu.be

  
  

意外な場面で活用されるAI技術とは?

  
実は、一昨年くらいに、日経オンラインと私の研究室と共同で開発したシステムがあります。
  
それは、毎回膨大な情報として発表される決算短信を解析して、その要約をまとめて表示させるというものですが、実際にその資料を読んで、投資家の方が必要とするような重要と思われるデータを抜き出すという技術が使われています。
  
これは、人の手が入らずに要約されたデータが出てくるという仕組みですので、企業に対する忖度がない、非常にドライな情報が抽出されます。
  



  
【AI投資情報プラットフォーム『cirfin』リンク】
cirf.in

  
  

ダスキンプレスリリース

  



ダスキン、ソフトバンクロボティクスと、人手不足など清掃業界が抱える課題の解決に協力、合意。
  
株式会社ダスキンは、ソフトバンクロボティクス株式会社とパートナー契約を締結し、人手不足や清掃員の高齢化などの、清掃業界が抱える課題の解決を目指し、協力することに合意しました。今後、ソフトバンクロボティクスが開発、提供するオフィスや、業務フロア向けのAI清掃ロボット、Whiz(ウィズ)の提携及び販売権利を有し、Whiz(ウィズ)を活用して、清掃分野の新たなメニューの開発や、市場開拓を視野に入れた実証実験を実施します。

  

  

身近なAIお掃除ロボット『ルンバ』とどこが違うのか?

  
こちらは、産業用に使えるレベルの技術である思っています。
ルンバはランダムに走り回って掃除をするロボットですが、AIお掃除ロボットWhiz(ウィズ)は、ルートを人が一旦教え込むと、そのルート通りにちゃんとお掃除をしてくれるというところが、少し違った仕組みであると思います。

また、プレスリリースを拝見すると、障害物があったあり、人が飛び出てきた時には、それを迂回したり止まる事をしますので、画像認識の技術が使われているんじゃないかと思います。
  



  
【ソフトバンクロボティクス Whiz(ウィズ)】
youtu.be
ソフトバンクロボティクスHPより
  
  
  

他に何か身近に感じられるAI技術は?

  
まだ皆さん生活の中に入っている状況ではないと思いますが、私たちのDeep30(ディープサーティ)からの投資先で、コネクティッドロボティクスという会社があります。
ここでは、調理に特化したロボットの製作を行っていて、一番有名なのは、たこ焼きを自動で焼くロボットです。
  
機械で工夫しているところもありますが、基本的には、人間と同じようにロボットハンドだけで、ひっくり返す動作や、油をひく動作などを、道具を持ちかえて最後まで作るという事を行っています。
  
人間は、紙を取る動作から、ペットボトルを取る動作まで、無意識のうちに行っていますが、これをロボットがやろうとすると、実はとても難しいのです。
今回紹介されたお掃除ロボットの分野でも、後片付けまでロボットで対応させるという取り組みにチャレンジしているベンチャー企業もあります。
  
このたこ焼きロボットでも、物を取る動作において、その難しい技術が一部使われています。
現在は、ディープラーニングの技術により、より精度良く物を見分ける判断ができるようになってきていますので、今後は、皆さんの身近なところでも、マルチタスクをこなせるより高性能なロボットが登場するのではないかと思います。
  



  
【コネクティッドロボティクス/たこ焼きロボット】
youtu.be
コネクティッドロボティクスHPより)

  
  

avex(エイベックス)プレスリリース

  



エイベックスエンタテインメント、マイクロソフトのAI『りんな』とレコード契約。
  
エイベックスエンタテインメント株式会社は、日本マイクロソフト株式会社が提供する マイクロソフトのAI『りんな』と、2019年4月1日月曜日付でレコード契約を締結し、メジャーデビュー曲『最高新記憶』を発表しました。

  

  

歌声に息遣いによる表現をもたらす『ブレス機能』という新技術とはどのようなもの?

  
自然な発話というのは、実はAIにとってすごく難しい事なんです。
  
人が聞いて『上手いな』と感じる歌い方とは、決して音程通りではなかったり、こぶしやイントネーションのようなところが、非常に大切な要素であると思います。
  
音程通りに歌う事は、今のシステムでも十分対応できますが、『りんな』は、そういうところを実際のデータから学んで、自然な歌声、上手いなと思うような歌声に仕上がっているので、AIの音声融合技術が、かなり高いレベルにまで達していると実感しました。
  
『りんな』の非常に面白い、ユニークなところは、実際のデータから学んでいるというところです。
  
『人が聞いて上手いと感じるという事はどういう事なのか』というのをAIが学んで、実際の息遣いや、声の出し方に反映されているというところは、今までのボーカロイドと一線を画す部分であると思います。
  



  
【AIりんな/最高新記憶】
youtu.be

  
【Microsoft AIりんなHPリンク】
www.rinna.jp

  
  

人の息遣いは真似できるものなのか?

  
真似してるという言い方が正しいかどうかは少し難しいところがあります。
  
どこまで言語化されているかは分りませんが、多くの上手いとされているものを聞いている中で、こういうところでブレスを入れるとか、こういうところは一旦声のトーンを落とすとかを、ある程度自動的に、学んでいっているのではないかと思います。人の歌の学び方に近いかもしれないですね。
  
  

この技術の目指すところは?

  
より自然なコミュニケーションというところだと思いますが、ここはまだまだ難しいところです。1対1の質問は、現状のAIで対応できますが、長い会話というのは、AIではできません。
  
例えば、同じようなギャグを何回も繰り返して人を笑わせるような事や、文脈や場面によって、本当にそう思っているのか、話に飽きてそう言っているのかなども、全然捉え方が違います。
その部分はまだAIにはできていない部分だと思います。
  
一方で、それにチャレンジする取り組みで、大喜利などの形で、何か面白い事を言うようなAIの開発をしている会社もありますし、実際に、芸人さんと大喜利をする取り組みもあります。しかし、まだ自然なコミュニケーションを実現するまでに至っていません。
  
日本人は、本音と建前を多用する国民性がありますよね。日本人のような建前を言うAIは嫌ですが、そこまでいくと本当にすごいレベルだと思います。
これからは、ひとまず海外でAIによる自然なコミュニケーションに向けた開発を行う方が近道なのかもしれませんが、現状ではまだまだというレベルだと思います。
  



  
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番組、その他情報

  
◆番組について

  • 番組名…感じるAIビジネス
  • 番組webサイト…新番組の為まだありません
  • 放送日…2019年4月15日(月)
  • 放送時間…20:00~20:20

  
  
◆ラジコで聞いてみる→こちら

  • 1週間経過すると聴取できなくなります

  
  
◆コメンテーター紹介
  
https://weblab.t.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2018/02/tazoe_500.jpg名 前:田添 聡士(たぞえ さとし)


プロフィール:2010年:東京工業大学大学院情報理工学研究科修了。2010-2012年:ボストンコンサルティンググループ。2012-2014年:株式会社じげん経営企画グループ。2014-2016年:YCP Holdings Ltd. (東京/シンガポール)。2016年:現職。Deep30 投資事業有限責任組合 代表組合員。<松尾研究室HPより引用>
  
  
  
  
  
◆パーソナリティー紹介
  
http://www.radionikkei.jp/personality/images/personality/tsujiruna.jpg名 前:辻 留奈(つじ るな)
プロフィール:「まいど!相場の福の神・10ミニッツ」、「企業トップが語る!人生波瀾万丈」、「マーケット・トレンド」金曜日担当。ラジオNIKKEIアナウンサー。<ラジオ日経HPより引用>